kml:
「肋骨のはたらきは?」と聞かれると、多くの人は「内蔵を守る」と答えるでしょう。しかし、そうすると大切な臓器の大半が、やわらかいおなかにあるのも不思議です。もちろん心臓を保護する役割も果たしているのですが、実はもっと重要な機能があります。それは呼吸です。
肋骨は後方で背骨につながり、前方では胸骨につながっており、全体としては前後2本の縦棒の入った提灯のような構造になっています。左上の図は人の胸郭の簡単なモデルです。連なるリングが肋骨、右側の長い縦棒が背骨、左の短い棒が胸骨。内部に風船のような「肺」をおいてみました。
一見がっちりした構造に見えますが、実はそれぞれリングと前後の縦棒は、一種の関節になっていて、角度を変えられるように、つながっています。
ここで胸骨にあたる短い棒を下に動かしてみましょう。すると連なったリングは一斉に左下がりに傾きます(左下図)。その結果、胸骨は背骨に近付いて風船をつぶします。ずらりと並んだ柱が一斉に倒れて、建物が一方向に倒壊するのと同じですね。胸骨を上に引っ張ってリングを引き起こすと、最初の状態に戻って肺が空気を吸い込みます。
実際にはこの動きは小さなものなので、胸がつぶれるように見えることはありませんが、仰向けになったまま、大きく息を吸い込むと胸が、あごの方に向かって移動しながら、せり上がってくるのを確認することができます。一見頑丈な建築物のように見える肋骨は、呼吸のたびに倒れたり起き上がったりを繰り返しているのです。人の体って不思議ですね。
少し構造は違いますが、最近テレビにも登場するようになった土佐さんのWahha Go Goも、ふいごの肺を持っています。それがせり上がって空気を吸い込むのは、なかなか見事なアナロジーです。
